猫と人の歴史

現在の家猫の祖先は、約13万1000年前に、中東の小アジアに生息していたリビアヤマネコである 可能性が高いとのことです。

およそ9,500年前のキプロス島のシルロカンボス遺跡から、人間と共に埋葬されたネコ科動物の遺骨が発見されました。

リビアヤマネコは、9,500年前に人と出会い、人と猫の歴史が始まりました。リビアヤマネコが生息していた小アジア(アナトリア)と遺跡のあるキプロス島とは地中海によって隔てられています。

発見された人間の遺骨からネコの遺骨までの距離が40センチしか離れておらず、貝殻や火打ち石、斧などと同じ場所に埋められていますこのことから、すでにこの頃に猫と人との歴史が始まっていたと思われます。

神になった猫

古代エジプトのレリーフに鳥やスカラベ(コガネムシ)とともに、ネコが登場します。古代エジプトの地は多くの宗教的部族や「ノモス」と呼ばれる州から成り立つ混沌とした土地でした。

ノモスでは、多くの動物がそれぞれ精霊の化身としての宗教的な対象となっていました。それは、動物の持つ能力、可愛さ、あるいは動物に対する畏敬の念が、崇拝対象となったと思われます。

そして、戦争が起こり、ある部族が土地を平定すると、勝った部族が征服した部族に対し、崇拝対象を強要しました。

紀元前3100年頃、メネス王の下でエジプト帝国が建設されると、多元的な崇拝主義が確立し、多くの動物や虫が刻まれたレリーフが登場します。
そして、ネコが神として決定づけられたのが、ファラオの守護者、家の守護者といった役割を持つ、エジプト古来の神「バステト神」と結びついて崇められるようになる第22王朝時代(紀元前945~715年)です。

多くのネコの石像やブロンズ像が発見され、ネコのミイラや安産を願うネコの護符(お守り)も発見されています。

初めて名前がついたネコは?

その名は”Nedjem”。意味は、星=スターもしくはかわい子ちゃん。

第18王朝6代目のファラオ・トトメス3世(BC1479~1425)の時代に活躍した建築家”Puimre”が飼っており、”Puimre”のネコと呼ばれていたのではなく、「人類史上で最初に登場する猫の名前」としてギネスブックにも載っています。レリーフにネコの姿も残っています。

また、第9代ファラオ・アメンホテプ3世(BC1390~1352)の長男・トトメス王子が飼っていた猫の名前”Ta-Mit”も石棺の彫刻に残っています。

”Ta-Mit”はメス猫という意味らしいですが、サザエさんの”タマ”っぽいですね。でも、”タマ”にはガールフレンドが居てオスってこと?ですが。。。